『スーパーマリオUSA』(-ユーエスエー、Super Mario Bros. 2)は、1992年9月14日に任天堂から発売されたファミリーコンピュータ用アクションゲーム。
概要[]
「アメリカ帰りのファミコンソフト」を謳ったソフト。フジサンケイグループとのコラボレーションソフト『夢工場ドキドキパニック』のキャラクターをマリオらに差し替え、新たなボスを追加したうえで1988年に発売されアメリカでヒットした『Super Mario Bros. 2』を、日本に逆輸入する形で発売された。 マリオ、ルイージ、ピーチ、キノピオの4人からキャラを選択して、夢の世界「夢の国“サブコン”」をマムーの魔の手から救う冒険の旅に出る。様々なものを引っこ抜くという動作が作品の特色。
ストーリー[]
ある晩、マリオは不思議な夢を見ました。
上の方にある扉へと続く、長い長い階段の夢でした。扉を開けると、
今まで見たこともない世界が見渡すかぎり広がっていました。耳をす
ますと、かすかに声がします。「夢の国、“
たちはマムーに苦しめられ、国中にひどい魔法をかけられているので
す。あなたが来てくださるのをお待ちしていました。マムーを倒して
Subconをもとの姿に戻してください。現実の世界でマムーがあなた
にかけた呪いは、夢の世界では効果がありません。いいですか、マム
ーは、野菜が苦手だということを覚えておいてください。どうか私た
ちを助けてください!」この声と同時に、マリオの目の前に稲妻が走
りました。マリオはびっくりして足をすべらせ、ひっくり返りました。
はっとおどろいて目が覚めると、ベッドで起きあがっていました。頭
をすっきりさせようと思い、マリオはこの不思議な夢のことをルイー
ジとキノピオとピーチ姫に話しました。
マリオたちは、近くの山にピクニックに
出かけることにしました。
目的地に着いて、あたりをながめると近
くに小さなほらあながありました。おど
ろいたことに、ほらあなに入ると上へ上
へと続く階段がありました。マリオが夢
で見たのとまったく同じでした。みんな
で階段をいちばん上まで昇ると、マリオ
が夢で見たのと同じ扉がありました。マ
リオたちがおそるおそる扉を開けてみる
と…。おどろいたことに、マリオが夢で
見た世界が目の前に広がっていたのです。
(取扱説明書より)
ゲーム内容[]
夢の中の世界「夢の国“サブコン”」を舞台に、マリオ、ルイージ、ピーチ、キノピオを操作してステージを進んでいくアクションゲーム。前述の通り『夢工場ドキドキパニック』のアレンジ移植作品であるため、『スーパーマリオブラザーズ』及び国内版『スーパーマリオブラザーズ2』とは異なる点が大いに存在する。逆に本作での起用を機に、以降のマリオシリーズに持ち込まれた要素も存在。マリオとルイージのグラフィックが明確に差別化して描かれたのは、ゲーム内では本作が初である。
本作独自の要素[]
夢工場ドキドキパニックの記事も参照。
- キャラクター性能差
- 国内版『スーパーマリオブラザーズ2』ではマリオとルイージに性能の差が存在していたが、本作では4人のキャラクターにそれぞれ大きな性能差がある。
- 特に、ルイージのふんわりジャンプとバタ足ジャンプ、ピーチの空中浮遊、キノピオの引っこ抜く速さなどは後のマリオシリーズや大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにも反映されるほどそのキャラの特徴として定着している。
- 引っこ抜く、持ち上げる
- 本作を象徴するアクション。地面から生える草の前に立ってBボタンを押すことで、その草を引き抜き野菜やアイテムを持ち上げた状態になる。持ち上げた状態で再度Bボタンを押すと、その持ち上げたものを投げつけることが出来、移動しながら投げることでより着弾地点が遠距離になる。
- 本作では敵を踏んづけても倒すことができない。トゲがない敵は上に乗ることができ、その状態で引っこ抜くことで敵キャラをも持ち上げることが出来る他、砂でできた床では砂を持ち上げて掘ることが出来る。
- ライフ制
- 本作は、体力をハート型のアイコンで表すライフ式を採用している。これは『夢工場ドキドキパニック』から引き継がれたシステムなのだが、本作はそこにマリオ要素が加わり、ライフが1になると外見がチビ状態となる。ライフの上限は裏世界にあるきのこを持ち上げることで1つ増やすことが出来る。
登場キャラクター[]
味方キャラクター[]
- キノピオ
- 色数の都合か、ファミコン版では青キノピオが登場。それ以外のリメイク作品では通常のカラーのキノピオが登場。
- ムウ
- 夢の国“サブコン”の住人。エンディングで倒れたマムーをウェーブで運んでいるキャラクター。名称は『夢工場ドキドキパニック』から借用しているが、このキャラクターがこの名前に対応しているかどうかは不明。
敵キャラクター[]
★マークがついているものは、『夢工場ドキドキパニック』に登場しない。
- ヘイホー(Shy Guy)
- リートン(Tweeter)
- ターペン(Hoopster)
- ドドリゲス(Pidget)
- トンダリヤ(Beezo)
- トトス(Trouter)
- ムーチョ(Snifit)
- ダウチョ(Ostro)
- スパック(Spark)
- ガラゲーロ(Cobrat)
- カメーン(Phanto)
- トンドル(Albatoss)
- ハリマンネン(Porcupo)
- ナカボン(Frully)
- ボブ(Bob-omb)
ボスキャラクター[]
- キャサリン(Birdo)
アイテム[]
- 草
- ステージ内の各所で地面から生えている草。上に立って引っこ抜き動作をすることで引っこ抜き、様々なアイテムを担ぐことができる。
- はずれ野菜
- 成長しきっておらず根の部分が小さい野菜。投げつけて攻撃に使用できる。
- 野菜
- 成長しきった根の部分が大きな野菜。投げつけて攻撃に使用できる。1ステージ内で5つ引っこ抜くと、5つ目がストップウォッチに変化する。
- ストップウォッチ
- 上記の条件で草から引っこ抜けるアイテム。一定時間すべての敵と仕掛けの動きが止まる。
- こうら
- 草から引っこ抜けるアイテム。投げるとその方向に滑り出し、触れた敵を倒しながら進む。壁に当たると跳ね返る。
- 原作『夢工場ドキドキパニック』では「マスク」というアイテムだった。
- バクダン
- 草から引っこ抜いたり、ボスが投げてきたりするアイテム。一定時間後に爆発し、周囲の敵や破壊可能のブロックにダメージを与える。プレイヤーも巻き込まれるとダメージを受ける。
- 『夢工場ドキドキパニック』では爆発のエフェクトに書かれている文字が「BOM」であったが、本作ではローカライズにあたり「BOMB」と修正された。
- 1UPキノコ
- 草から引っこ抜けるアイテム。傘の色は赤く、傘に白字で「1UP」と書かれたデザイン。残り機数が1つ回復する。
- 魔法の薬
- 草から引っこ抜けるアイテム。投げると目の前に裏世界へ続く扉を生成する。
- コイン
- 裏画面で草から引っこ抜けるアイテム。集めた数だけ、ステージクリア後のスロットマシンを回せる。
- きのこ
- 裏画面にあることがあるアイテム。持ち上げると体力を全回復と同時に体力の上限を1つ増やす。
- カギ
- カギのかかったドアを開けるのに使用する。ツボの中などにある。
- チェリー
- 空中に浮いているアイテム。5個取得すると画面下から星が出現する。
- 星
- チェリーを5個取得すると画面下から揺れるように移動しながら登場。取得することで一定時間無敵状態となる。
- 小さいハート
- 敵を8体倒すと、画面下から出現する。減った体力を1つ分回復できる。
- きのこブロック
- キノコの形をしたブロック。地形として扱えるほか、持ち上げて投げることで攻撃にも使用できる。
- 水晶玉
- ボスを倒すと落としていくアイテム。これを持ち上げることで、ゴールに相当するマスクゲートを開く。
移植・リメイク[]
- スーパーマリオコレクション - 1993年7月14日 - スーパーファミコン
- ファミリーコンピュータ10周年を記念し、ファミコンで発売された4作品をリメイク。
- Super Mario All-Stars + Super Mario World - 1994年11月 - SNES
- 欧州圏で発売された、『スーパーマリオコレクション』に『スーパーマリオワールド』を加え計5タイトルが収録されたバージョン。
- BSスーパーマリオUSA パワーチャレンジ - 1996年 - スーパーファミコン(サテラビュー)
- サテラビュー配信タイトル。『スーパーマリオコレクション』版をもとに独自のシステムとフルボイスによるサブストーリーを展開する異色の移植作品。
- スーパーマリオアドバンス - 2001年3月21日 - ゲームボーイアドバンス
- マリコレ版をベースにした移植版。ボイスやカードeなどの追加要素がある。
- バーチャルコンソール スーパーマリオUSA - 2007年8月10日 - Wii
- スーパーマリオコレクション スペシャルパック - 2010年10月21日 - Wii
- バーチャルコンソール スーパーマリオUSA - 2012年11月28日 - ニンテンドー3DS
- バーチャルコンソール スーパーマリオUSA - 2014年5月19日 - Wii U
- バーチャルコンソール スーパーマリオアドバンス - 2014年7月16日 - Wii U
- Nintendo Switch Online ファミリーコンピュータ スーパーマリオUSA - 2019年2月13日 - Nintendo Swicth
- Nintendo Switch Online スーパーファミコン スーパーマリオコレクション - 2020年9月3日 - Nintendo Swicth
- Nintendo Switch Online ゲームボーイアドバンス スーパーマリオアドバンス - 2023年5月26日 - Nintendo Swicth
関連作品[]
ゲーム作品[]
- スーパーマリオ 3Dワールド
- マリオ、ルイージ、ピーチ、青キノピオがそれぞれ違った性能でプレイヤーになっているという共通点があり、特にピーチは本作同様に空中浮遊が可能。
- スーパーマリオメーカー 2
- 取得すると本作由来のアクションを行えるようになるアイテム「マリオUSAのキノコ」が登場。『スーパーマリオブラザーズ』スキンのみで使用可能。
- ワリオの森
- キノピオが主人公のアクションパズルゲーム。キノピオが「物を持ち上げる」というアクションを使用できるほか、キャサリンが登場する。
- 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
- ファイターのピーチのキャラクター個性が、本作を基にしている。
- 大乱闘スマッシュブラザーズDX
- ピーチが初参戦。本作(外観はマリコレ/アドバンス版)を基にした対戦ステージ「いにしえの王国II」が登場するほか、このステージでマリオ、ルイージ、ピーチを倒すという内容のイベント戦「スーパーマリオUSA」が収録。
- 大乱闘スマッシュブラザーズX
- 「名作トライアル」として、バーチャルコンソール版『スーパーマリオUSA』が収録。プレイヤーはピーチ姫の状態で始まる。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / 大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U
- 引っこ抜くと他のアイテムが入手できるアイテム「草」が初登場。また、本作以降ファイターのルイージがバタ足ジャンプを行うようになった。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL
- 対戦ステージ「いにしえの王国 USA」、アイテムの草、ピーチ、ルイージなど各要素が収録。新参戦ファイターのデイジーのワザに登場するキノピオが青キノピオになっている。
漫画作品[]
- スーパーマリオくん
- 「スーパーマリオUSA編」が存在。その他、近辺の時期の回にてキャラクターの出張もある。
その他メディア[]
- 関口宏の東京フレンドパークII
- 特に初期の放送で、本作の地上曲がアトラクション「フィジカルワープロ」の説明BGMとして使われている。ファミコン版のBGMのキーを変更してドラム音源を重ねたリミックスが用いられている。
トリビア[]
脚注[]
関連項目[]
- 夢工場ドキドキパニック
- BSスーパーマリオUSA パワーチャレンジ
- スーパーマリオアドバンス
- スーパーマリオくん スーパーマリオUSA編
外部リンク[]
- スーパーマリオUSA (マリオヒストリー内)
- バーチャルコンソール スーパーマリオUSA
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