テンプレート:コンピュータゲーム 『スーパーマリオカート』(Super Mario Kart)は、任天堂が発売したスーパーファミコン用ソフト。マリオカートシリーズの1作目であり、この作品で確立された各種基本フレームは最新作に至っても変わることなく受け継がれている。その完成度の高さから「カートレースゲーム」の原型的存在として現在も根強い人気を持つ。日本国内におけるスーパーファミコン用ソフトの最高売り上げを記録した。
2009年6月9日より、Wiiのバーチャルコンソールにて配信が開始された(要800Wiiポイント)。
概要
マリオシリーズのキャラクター達がカートでレース&バトルするゲームである。純粋なレースゲームに他のカートへの妨害要素を加え、しかもそれをユニークに表現している。
モードは3つに大別され、カップ毎に5つのコースでレースを行って上位4位が獲得できる「ドライバーズポイント」を稼いでカップ獲得を目指す「マリオカートGP」、敵カートからの妨害を受けることなく自らの限界タイムに挑める「タイムアタック」、そして対人要素として既存のコースをひとつ選びタイムを競う「VSマッチレース」、専用コースでお互いのカートにアイテム攻撃を仕掛けて先に相手カートに付けられた風船を3つ割ることを目的とする「バトルゲーム」が用意されている。4タイプ8人のキャラクターの中から好きなドライバーが選べる。
コースは3つのカップ(キノコ・フラワー・スター)にそれぞれ5コースずつ・合計15種類あり、「マリオカートGP」ではエンジンも50ccクラス・100ccクラスから選択可能で、排気量が大きいほど敵カートの速度が高く、難易度が高い。
なお追加要素もあり、100ccの全カップで優勝すると新たにスペシャルカップが追加される(これも5コースあるためコースの総数は20となる)ほか、スペシャルカップに優勝するとさらに難易度の高い150ccクラスも選択可能になる。
バトルゲーム以外は、全て5周でゴールインとなる。なおプレイヤーが5周目(ファイナルラップ)に突入する(2人プレイの場合は先行しているプレイヤーが5周目に突入する)と、BGMのテンポが速くなる。
コース中に落ちているコインを拾えば最大10段階までスピードUPできるが、他のカートとの接触で1枚、水没・転落で2枚、アイテム接触によるスピンで4枚のコインを失う。コインが無い状態で他のカートと接触すると、カートがスピンして一時的に止まってしまう。
本作ではシリーズ中唯一、ゲームモードに関わらず(ひとりプレイでも)ゲーム中の画面が2分割されている。1人プレイの場合、上半分がレース画面・下半分がコース全体図もしくはバックミラーとして背後の様子(プレイヤーの操作もしくは背後のキャラクターがアイテムで攻撃する際に切り替わる)が表示される。
作曲者は岡素世、阪東太郎。おばけ沼BGMとクッパ城BGM及びスターによる無敵BGM以外は過去のスーパーマリオシリーズ作品のBGMを使用しておらず、殆どがオリジナルのものとなっている。
キャラクター
キャラクターごとに最高速度、加速力、コーナリング性能などが異なる。
- 標準性能カート - マリオ、ルイージ
- 標準的なステータスで、最高速度はクッパ・ドンキーコングJr.には若干劣るものの比較的高い。多くのコースに対応しやすい。
- 加速重視カート - ピーチ、ヨッシー
- 加速性能がよく、最高速度に達するまでの時間が一番短い。敵カートに攻撃されてもすぐに態勢を立て直すことができるので、バトルモードに向いているが、もちろんレースでも十分に使える。短所はグリップ性能とハンドルの切れが悪く、最高速度が遅いこと。チョコレー島、ノコノコビーチ、ドーナツ平野などの滑りやすいオフロードコースは苦手。
- 高速安定カート - クッパ、ドンキーコングJr.
- 最高速度が最も速い。重量級のため他車との衝突に強く、高速で体当たりすれば相手カートをはじき飛ばすことができるが、最高速度に達するまで時間がかかる上、ハンドルの切れもあまり良くないので、バトルモードには不向き。最高速が高く、サーキットコースのタイムアタックには最適。上級者向きのカート。
- 軽量機敏カート - ノコノコ、キノピオ
- ハンドルさばきはバツグンで、苦手なコースは、ほとんどといってよいほどない。得意コースは、おばけ沼、チョコレー島およびバトルモード。最高速度は最低だが加速性能がそこそこ良く、グリップ性能は他と一線を画す高い性能を持つため、初心者向けのカートとされているが、繊細なハンドリングに的確に応答する性能は上級者にも好まれている。エンジン音はピーチやクッパのカートに比べて大きい。最も軽量のため、他のカートとの接触には弱い。
プレイモード
1Pモードで2種類、2Pモードで3種類存在する。なおGP以外では全て100ccカートを用いる。
マリオカートGP
8カートで競争し、優勝を目指すモードである。1P・2Pどちらでもプレイできる。
プレイヤーは、最初にクラス・ドライバー・カップを選択する。ここで選択したドライバー以外はCOMとなる。ラウンド1のプレーヤーのスタート位置は8位、2Pモードの場合1P側が8位、2P側が7位となる。ラウンド2以降のスタート位置は前ラウンドの順位となる。
4位以内でゴールすると順位に応じたドライバーズポイントを獲得して次のコースへ進めるが、5位以下/リタイアの場合はやり直し(CPUは無条件に次のコースへ進める)。2Pの場合はどちらか一方でも4位以内でゴールすれば2人とも次のコースへ進める。残りカート数は3台で、5位以下/リタイアのたびに1台ずつ減り、0の状態で減るとゲームオーバーとなり次のレース以降に参加できなくなる。同じ順位で3回ゴールすると1UPする(残りカート1台増加)。
最終コースを4位以内でゴールできれば表彰式となる。3位以内であればトロフィーも贈呈されてデータに記録される(同じ順位の場合は先に順位の高かった者が優先される)。
ちなみに、コースの設計がタイムアタック、VSと一部異なっている部分がある。
タイムアタック
1Pモードでのみプレイ可能。コースを1台のみで走行し、いかに速くゴールできるかを目指すモードである。アイテムが配置されていないこと以外は、コース構成はほぼ同じ。ゲームオーバーはない。
完走すると、直前の走行の様子をビデオ再生する「リプレイ」コマンドが現れる。コースアウトや障害物への衝突などのミスをせずに完走した場合は、「リプレイ」の時にL、Rボタンでアングルを変えながら見ることができるほか、その走り方をそっくり再現する「ゴースト」が次回のタイムアタックから出現する。
なお、特定コマンドを入力することでスペシャルカップを無条件に出現させたり、ゴーストのデータを1つだけ保存することが可能。
VSマッチレース
2Pモードのみプレイ可能。1つのコースを走り、相手より先にゴールすることを目指すモードである。GPと同様にアイテムが出現するほか、VSマッチ専用のお邪魔キャラが登場する。
なお、特定コマンドを入力することでスペシャルカップを無条件に出現させることが可能。
バトルゲーム
2Pモードのみプレイ可能。双方のカートに3つの風船が付いており、相手の風船を全て割ることを目指すモードである。
コースはバトルモード専用コースで、4種類ある。風船は最初は3個。アイテムを獲得して攻撃し、スピンさせるごとに1個ずつ風船が割れる。先に相手の風船を全て割ったプレーヤーが勝者となる。
コース
今作のみ全てのコースが5周でゴールとなっている。『マリオカートwii』以降で再登場した際はコースが大きくなり、1周の距離があるから3周でゴールとなる。
キノコカップ
- マリオサーキット1 (任天堂公認目標タイム 1'03"68)
- マリオがある場所に設計したコース。障害物は土管のみで、特に難しいコーナーや場所もないため、非常に走りやすい。全ての基本となるコースゆえに、公式のタイムアタックや、発売当時に放送されていたテレビ番組『スーパーマリオクラブ』での企画など、様々な企画で多用されたコースである。
- 後に『マリオカートDS』でも登場、1周の距離が短いため4周となる。
- ドーナツ平野1 (任天堂公認目標タイム 1'27"44)
- 平野の中にあるオフロードコース。沈む水の仕掛けが初登場する。マリオサーキット1よりは複雑だが、特に難しい場所もないまだ練習向けの内容となっている。コース中盤から終盤に掛けて3連続ヘアピンカーブがある。
- 後に『マリオカートDS』でも登場、周回数は3周となる。
- おばけ沼1 (任天堂公認目標タイム 1'12"12)
- 所々に穴が開いた板張りのコース。ジャンプ台の仕掛けが初登場する。コース終盤にはリスクを伴うショートカットルートもある。おばけ沼コース全ての共通点として、コース端の木製ブロックに衝突すると崩れてしまい、そこから外れるとコースアウトしてしまう。
- おばけ沼コース系統の音楽は『スーパーマリオワールド』におけるお化け屋敷ステージの音楽のアレンジが使用されている。
- クッパ城1 (任天堂公認目標タイム 1'41"90)
- 煮えたぎる溶岩の上に敷かれたコース。『スーパーマリオ』シリーズではお馴染みの敵キャラクター「ドッスン」が障害物として行く手を阻む。クッパ城コースは、コースの大部分が壊れない石のガードレールに覆われているなど、それほど構造は複雑なコースではないが、ドッスンなどの仕掛けと、ライバルからの攻撃を受けやすい(横揺れを受けるとマグマに転落しやすいジャンプ台、壊れないガードレールゆえコウラが残りやすいなど)コース設計が主な妨害要素となっている。
- クッパ城コース系統の音楽は『スーパーマリオワールド』におけるクッパとの対決時の音楽のアレンジが使用されている。
- マリオサーキット2 (任天堂公認目標タイム 1'23"58)
- マリオが設計した立体交差のあるコース。序盤から中盤にはヘアピンカーブがあり少々テクニカル。そしてコース終盤にはこのコースの醍醐味である立体交差がある。成功すればすぐゴール、失敗すれば交差点からやり直しと、コースの要になっている。
フラワーカップ
- チョコレー島1 (任天堂公認目標タイム 1'09"40)
- 褐色の荒野を舞台とするオフロードコース。至る所にあるギャップと、カートに絡み付いて滑らせるチョコレート色の沼がコントロールを難しくする。さらに側部のダートは非常に重く、嵌るとスピードを根こそぎ奪われる。
- おばけ沼2 (任天堂公認目標タイム 1'23"58)
- コースの所々が崩落して穴が開いたおばけ沼のコース。コース中盤にリスクを伴うショートカットルートがある。
- 後に『マリオカートWii』でも登場する。
- ドーナツ平野2 (任天堂公認目標タイム 1'43"66)
- 平野のある場所にあるオフロードコース。ドーナツ平野1と比べコース幅も狭くなり、ヘアピンカーブも多くなっている。ダッシュキノコを湖でうまく利用すれば、ショートカットも狙える。こちらのカートに張り付いて減速させるチョロプーの飛び出す穴が存在する。
- クッパ城2 (任天堂公認目標タイム 1'58"98)
- お邪魔キャラのドッスンに加え、コース幅を狭くし簡単な分岐ルートも設けたコース。中盤にショートカットルートも用意されているが、極めてリスクが高い。
- マリオサーキット3 (任天堂公認目標タイム 1'46"48)
- ヘアピンカーブの数が非常に多く、走りにくいという難しさを兼ねている。
- 後に『マリオカートWii』でも登場する。
スターカップ
- ノコノコビーチ1 (任天堂公認目標タイム 1'05"66)
- 浅瀬上の小島を駆け抜けるコース。海の色が濃い場所に進入すると沈んでしまうが、一定時間内に自力脱出すればジュゲムの救出を待たずにコース復帰が可能。跳ねているプクプクに接触すると小スピンさせられる。
- チョコレー島2 (任天堂公認目標タイム 1'22"40)
- コース中盤に配置された広大なチョコレート沼が特徴のコース。チョコレー島1以上に複雑な構造で、ダートに突入しないコーナリングや、沼への突入に無駄が無いコース取りなどが要求される。
- 後に『マリオカートDS』でも登場、周回数は3周となる。
- バニラレイク1 (任天堂公認目標タイム 1'04"24)
- 雪原と氷原とで構成されたコース。氷で出来た路面のため滑りやすく、カートのコントロールが難しくなっている。コース上のアイスブロックは衝突することで破壊出来るが、上手く衝突しないとタイムロスも激しいため、繊細なコース取りが要求される。コースアウトはドーナツ平野とノコノコビーチと同じく水への転落となる。
- クッパ城3 (任天堂公認目標タイム 1'53"26)
- コース幅が更に全体的に狭まり、分岐ルートも追加されたコース。中盤には道路いっぱいにドッスンが並んでいる所があり、運が悪いとそこで足止めを余儀なくされてしまう。追い抜きには非常に難しいコース設計。
- マリオサーキット4 (任天堂公認目標タイム 1'56"78)
- 序盤から息つく間もない連続カーブとコース中央の連続ヘアピンカーブが特徴のコース。特に最初のヘアピン手前には土管が4基も配置されているため、安定したコース取りが必要とされる。
スペシャルカップ(50cc以外)
- ドーナツ平野3 (任天堂公認目標タイム 1'39"88)
- コース中央の池に掛かった桟橋を駆け抜けるコース。複雑なコーナーや崩れた桟橋が用意されている。また、チョロプーやダートもある。
- ノコノコビーチ2 (任天堂公認目標タイム 1'13"47)
- ノコノコビーチ1とは異なり、一つの小島の周りを走るコース。1週はとても短いが、アイテムが使いづらい、海に落ちやすいという複雑性も含んでいる。
- 後に『マリオカートDS』でも登場、1周の距離が短いため4周となる。
- おばけ沼3 (任天堂公認目標タイム 1'35"81)
- 暗闇の中を走るコース。コース上のアイテムパネルはほとんどなく、コース上に穴がいたる所にある。特に、中盤から終盤は追い抜きが非常に難しい。
- バニラレイク2 (任天堂公認目標タイム 1'12"22)
- コース中央の氷の池が目を引くコース。ただでさえ滑る上、コース上が非常に狭いためすべてコース上を走るのは難しい。中盤から終盤に掛けて、浮かぶ氷の割れ目を上手くジャンプで渡ることでショートカットが狙える。
- レインボーロード (任天堂公認目標タイム 1'35"81)
- 本作の最終コースで、宇宙に浮かぶ虹色のタイルの上を走るコース。直角カーブしかないため曲がりにくく、更に路肩には一切フェンスがない上に外部は全て穴で、コースの幅もかなり狭いため非常にコースアウトしやすい。また、踏まれると潰されるだけではなく、横からぶつかるだけでスピンしてしまうという厄介な「スーパードッスン」が大量いる。コースの設計の難易度・妨害を受けた際のリスクの大きさ・お邪魔キャラの凶悪さのいずれも本作において最高クラスを誇る。
- 後のシリーズ作品においても、最終コースはこのコースと同じく「レインボーロード」の名称を冠するのが伝統となっている。
バトルコース
- バトルコース1(ドーナツ平野)
- 最もシンプルなバトルコース。
- バトルコース2(ノコノコビーチ)
- ハテナブロックが通常のコース以外に、羽根で飛び越えなければ入れない水場(浅瀬)にも数箇所ある。
- バトルコース3(バニラレイク)
- コーナーにアイスブロックが置かれており、路面は非常に滑りやすい。スターカップなどのバニラレイクコースに存在した反射光(白いライン)が、なぜかここには全く存在しない。
- バトルコース4(マリオサーキット)
- 最もフェンス(間仕切り)が多く、面積も大きい。中央に砂のダートが存在する。オイルはない。
- 後に『マリオカートWii』でも登場。
アイテム
コース内で「?マーク」が書かれたアイテムパネルを踏むことで、ルーレット形式で手に入る。レース時は順位によって出現アイテムが異なる。パネルは1枚につき1回しかアイテムが出現しない(バトルゲーム除く)。
- CPUのアイテム使用について
プレイヤーが2位以下のとき、すぐ前方を走っている1台のみか、プレイヤーが1位のとき、すぐ後方を走る1台が使う。原則的にアイテムは種類に関わらず「設置する」のみ(プレイヤーが1位の場合は放物線上に投げる)。プレイヤーと異なり制限無く使用可能だが、キャラクターによって使用アイテムが限定されている。
- マリオ・ルイージ…スター(通常通り無敵の効果)
- クッパ…火の玉
- ノコノコ…緑甲羅
- キノピオ・ピーチ姫…毒キノコ
- ヨッシー…ヨッシーのたまご
- ドンキーコングJr.…バナナの皮
アイテム自体の詳細は、「マリオカートシリーズのアイテム」を参照。
その他
- 本作の世界観・背景は2年前に発売された「スーパーマリオワールド」のものを踏襲している。「チョコレー島」や「ドーナツ平野」といったコースが代表例である。
- シリーズ3作目の「マリオカートアドバンス」では、一定条件を満たすと本作の全コースが隠しコースとしてプレイできるようになる。また、コイン制が導入されているのは本作と「アドバンス」のみである。
- ニンテンドーDSソフト「大合奏!バンドブラザーズDX」において、nintendo製作の「スーパーマリオカートメドレー」がダウンロード楽曲として配信された。
- バーチャルコンソール版はアイテムのサンダーを使用した時の画面が点滅表現になっているため、赤色がなくなって青色のみの1色の点滅表現に変更されている。
- また、発売当時のCMは、マリオ達がレースする物だった。
関連項目
外部リンク
|
テンプレート:Link GA
テンプレート:Link GA
ca:Super Mario Kart ko:슈퍼 마리오 카트 pt:Super Mario Kart simple:Super Mario Kart sr:Супер Марио Карт sv:Super Mario Kart